読了:2008(029)

きみはポラリス

きみはポラリス

「きみはポラリス」というタイトルの作品はない。
全部のストーリーが、主人公にとって明るく輝く北極星のようなあの人へのメッセージ。
私は“三浦しをん”が書く言葉が好きだから、各作品で思うというより今まで読んだ彼女の作品を通して、という読み方になってしまうのだけど、深度が深くなったように思う。
色でいうと透けて見える群青色。優しさ、慈しみがすごく出ていて、今までのどの作品よりも凛とした清さがそこにはあるように思う。
彼女がよく使う「たゆたう」という言葉。この言葉が出る度、私の心は少しふるえる。この作品の「たゆたう」がいちばんしっくりとじんときた。