社内を歩いていると、ときどきまだ社会人になって3日目の人たちとすれ違う。
まだ何が出来るかなんてわかんないのに、肩肘とプライドを張って歩くちょう生意気な姿を微笑ましく思えるのは歳を重ねてきた余裕のなせる所以なのだと思う。
だけど、スーツにチョコレート工場のときのジョニー・デップみたいな帽子をかぶった新入社員を見かけたときはさすがにぶったまげた。いくら自由な社風とはいえ・・・。どうしたものか、他人事ながら。

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きょうも渋谷から歩いて帰った。きのうよりぐっと暖かい空気と少し散りはじめた目黒川の桜にちょっとだけ切なくなる。ライトに照らされ散りゆく桜はなんであんなに儚いんだろう。春は寒さと暖かさの予感の狭間のあいだの頃のほうが細胞が目覚めていくようでずっと好き。ぐんぐんと加速をつけて季節を駆けられると、そのスピードに振り回されてしまいそうになる。
夜は、豚肉のかたまりが安かったので久しぶりに塩豚を仕込む。
いちばん最初に春キャベツと一緒に煮込んでスープを作ろうと思う。
少しでも、春の呼吸に追いつくために。